「転職に学歴は関係ない」はホント？中途採用のリアルと転職を成功させるコツを紹介

「学歴が低いと転職が不利…」
「応募条件の学歴に満たなければ諦めるべき？」
「学歴に自信がないけど、希望する仕事に就きたい！」

結論から述べれば、中途採用では学歴はあまり関係ありません。それよりも「実務経験」と「スキル」が評価されるケースが多いです。

転職活動に戦略的に取り組めば、学歴に関係なく自分の希望するキャリアを目指せる可能性はあります。

そこで本記事では、学歴が転職に与える影響や学歴に頼らず転職を成功させる方法について詳しく解説します。

自分の学歴にコンプレックスを感じて転職に踏み切れない人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

転職に学歴は本当に必要ない？中途採用のリアルを解説

転職活動をする際「学歴が不利になるかも」と不安に感じる人も多いでしょう。そんな心配をしている人に向けて、ここでは中途採用における学歴の捉え方について詳しく解説していきます。

新卒採用と中途採用では企業が求めるスキルや評価基準が異なります。学歴の重要度も変わりますので、ぜひ参考にしてください。

中途採用では「実務経験」と「スキル」が最重要

中途採用で重視されるのは、どれだけ即戦力として活躍できるかどうかです。企業の採用担当者は、前職で培ったスキルや実績を活かし、自社の利益に貢献できる人材を求めています。

そのため、実務経験やスキルが優先的に評価され、学歴はあくまで参考程度に見られるケースが多いです。実績やスキルがあれば、学歴に関係なく転職を成功させることは可能でしょう。

新卒採用では学歴が評価される理由

新卒採用の場合、学生には実務経験がないため、企業は「ポテンシャル」や「基礎能力」を見極める基準として学歴を参考にします。

特に応募者が多い大手企業では、効率的に選考を進めるため、学歴を一つの基準として活用する場合があります。学歴は学生時代にどのような努力をしてきたか、論理的思考力があるかの指標となるからです。

もちろん、新卒採用でもエントリーシートや面接を通じて、応募者の人柄や能力なども総合的に判断します。しかし、学歴が合否を分ける要素になっているのは事実でしょう。

中途採用で学歴を求められる場合もある

基本的に中途採用では学歴よりもスキルが重視されますが、例外的に学歴を評価していると考えられる企業もあります。

どの企業も明言はしていないので、断言するのは難しいですが、以下のような状況で学歴を見られる可能性が高いです。

それぞれのケースについて詳しく解説します。

転職希望者が多い人気の業界や大手企業に応募する場合

人気の業界や大手企業では応募者数が非常に多いため、学歴がふるい分けの基準として使われることがあります。

特に、知名度の高い企業には毎月多くの応募が寄せられます。すべての応募書類を人事担当者が確認するのは現実的でありません。その場合、学歴をフィルターとして活用するケースもあるでしょう。

ただし、学歴フィルターの話は推測に過ぎません。 たとえ学歴が条件を満たしていなくても、実務経験やスキルが評価されれば採用される可能性があることは覚えておいてください。

第二新卒など、実績のない時に転職活動する場合

第二新卒とは、一般に「新卒で就職した後、入社1〜3年以内に転職を考える人」のことを指します。

第二新卒は実務経験が浅いため、企業はポテンシャルを評価して採用することが多いです。その際、学歴も評価のポイントになります。

第二新卒の採用選考では、実務経験やビジネスマナーの評価も重視されるため、学歴だけで採用が決まるわけではありません。

しかし、第二新卒の採用は「ポテンシャル採用」の側面があるため、学歴が一定の評価基準となるのは事実でしょう。

応募者資格に「大卒以上」と記載のある求人に応募する場合

求人サイトには、応募者資格として「大卒以上」と記載のある求人があります。これも学歴を求めているケースの一つといえます。

ただし、この場合は大卒が絶対条件というわけではないことも多いです。実務経験があり仕事のスキルが評価されれば、高卒だとしても採用される可能性はあります。

中には本当に大卒以上が必須条件の企業もありますが、興味のある求人があれば、学歴が条件を満たしていなくても応募してみる価値はあるでしょう。

「学歴が求められる業界・職種」と「学歴があまり求められない業界・職種」

転職では学歴よりもスキルや実務経験が重視されるケースが多いです。しかし、志望する業種・職種によっては学歴が採用に影響する場合もあります。

それぞれ一つずつ順に見ていきましょう。

学歴が求められる業界・職種

学歴が求められる業種・職種は、高度な専門知識や論理的思考力が必要な分野が多いです。学歴が基礎能力の評価基準になるため、採用時に出身大学を見られると考えられます。

特に、業界未経験から転職する場合は、難易度が高くなりやすいです。

学歴があまり求められない業界・職種

ここで紹介した業界・職種の特徴は、スキルや経験、実績を重視する傾向にある点です。実務を通じてスキルを習得できる業界では、学歴関係なく転職しやすいでしょう。

異業種への転職だとしても、これまでの経歴で活かせるポイントをアピールできれば未経験でも採用されやすいです。

未経験からでも学歴に関係なく転職しやすい職種7選

学歴がなくても活躍でき、未経験からでも挑戦しやすくキャリアアップが期待できる職種を7つ紹介します。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.営業職

営業の仕事では学歴よりもコミュニケーション能力や行動力が求められます。面接で明るくハキハキとした話し方や積極性を活かしたエピソードをアピールできれば、未経験でも採用の可能性は高まるでしょう。

現在、営業職として働いている場合であれば、過去の実績や成果をアピールすることで年収アップを狙えます。

営業職は頭の良さだけではなく、行動力や人柄が成功のカギを握る仕事です。本人の性格や努力で成果を挙げられる部分も多いので、学歴関係なくキャリアアップを目指せます。

2.ITエンジニア

ITエンジニアは学歴よりもスキルが重視される職種の一つです。 プログラミングの基礎知識を独学やスクールで習得すれば、未経験でも応募できる求人が多数あります。

ポートフォリオを作成して自分のスキルを証明できれば、より採用されやすくなるでしょう。

また、IT業界は急成長している分野であるため、深刻な人手不足が予想されています。

上記のグラフによれば、2030年には最大で約79万人のIT人材の人手不足が予測されています。そのため、別職種からキャリアチェンジを考えている人にもチャンスがあります。

ITエンジニアは実力次第でキャリアを広げられる仕事です。 学歴関係なく、スキルを磨くことで高収入を狙えます。転職市場でも需要が高いため、キャリアアップしやすいメリットもあります。

3.クリエイティブ系の職種

Webデザイナー・動画編集・ライターなどのクリエイティブ系の職種では、学歴よりもスキルや実績が評価されます。実績やスキルを証明できれば、未経験からの転職も可能です。

クリエイティブ系の職種には副業から始められる仕事が多いです。

未経験から目指す場合、今の会社で働きながらクラウドソーシングで案件を獲得し、その経験を面接でアピールできれば転職は成功しやすいでしょう。

クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事の案件を依頼・発注できるプラットフォーム

4.施工管理

施工管理は学歴問わず未経験でも採用されやすい職種です。施工管理の業務には専門知識も必要ですが、入社後に学べるため、異業種からの転職がしやすいです。

施工管理には、コミュニケーション能力やマネジメント力が重要です。現場の職人やクライアントと工事の進行を調整する役割を担います。仲間と一緒に物事を進めるのが得意な人は活躍できるでしょう。

また、資格を取得すればキャリアアップや高収入も狙えるため、努力が直結する仕事です。

5.トラックドライバー

トラックドライバーは、運転免許があれば未経験からでも挑戦しやすい職種です。

普通免許で乗れる小型トラックよりも、大型トラックや長距離配送の方が収入が高くなる傾向があります。運転スキルや資格を身につけることで、学歴に関係なくキャリアアップや収入アップが目指せるでしょう。

6.介護職

少子高齢化が進む日本では、介護業界の需要が高まっています。人手不足の施設も多いので、介護職は異業種からでも転職がしやすいです。

介護職は学歴ではなく経験や資格が評価される職種のため、キャリアを積み上げやすいメリットがあります。施設の利用者やその家族から感謝される機会が多く、大きなやりがいを感じられるのも魅力です。

7.接客・販売職

接客・販売の仕事は、学歴よりもコミュニケーション能力や接客スキルが重視されます。未経験でも始めやすく、成果を出せばキャリアアップも可能です。

最初は接客スタッフとしてスタートし、売上管理やスタッフ育成を経験すれば店長やエリアマネージャーへの昇進も可能です。実績が評価されれば、学歴に関係なく責任あるポジションに就けます。

また、接客・販売の仕事は人を喜ばせたり、会話が好きだったりする人にとって天職になりえる仕事です。適性があれば、やりがいを感じながら働きやすい職種でしょう。

中途採用で評価されるポイント4選

中途採用で評価対象となる4つの要素をそれぞれ解説していきます。

企業の採用担当者が重視するポイントを理解しておけば、適切にアピールすることできるので、ぜひ参考にしてください。

1. 実務経験と実績

中途採用では即戦力として活躍できるかが重要なため、これまでの実務経験や成果が評価されます。特に、同業界・同職種での経験がある場合、その傾向が大きいです。

実務での実績をアピールできれば、新卒では入社が難しかった企業に採用される可能性もあります。応募書類や面接では自分の強みを具体的に伝えるようにしましょう。

2. 仕事への熱意と意欲

企業は長く活躍してくれる人材を求めています。そのため、仕事に対する熱意や成長意欲を感じさせる姿勢を見せることが大切です。経験やスキルが十分でも、熱意が伝わらなければ採用を見送られることもあります。

特に、異業種から未経験の業界・職種に応募する場合、仕事への熱意を示すことが採用の決め手になることも多いです。

転職活動を始める前に自分の意欲を証明できる準備をすることで、採用の可能性は高められます。未経験業界への転職を目指す場合は、自発的にスキルや知識を身につけ、熱意を伝えられるようにしましょう。

3.資格や専門知識

業界・職種によっては、資格や専門知識が評価の対象になります。資格を取得することで一定のスキルを証明できるため、経験が浅くても転職活動を有利に進めます。

特に、未経験の業界へ転職する場合、資格の所持によって知識を証明し、熱意を伝えることが重要です。資格を持っていることによって、志望動機の説得力が増します。

業界	評価される資格
IT業界	基本情報技術者試験、応用情報技術者試験
不動産業界	宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
介護職	介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修

4.コミュニケーション能力

どんな職種でも業務を円滑に進めるためにコミュニケーション能力が求められます。特に、チームで働く仕事や顧客対応が必要な職種では、評価ポイントになりやすいです。

面接での話し方や態度からもコミュニケーション能力の有無を判断されます。緊張の中でも自信を持って話せるように、事前に話す内容を整理し、模擬面接などで練習しておくことが大切です。

学歴に頼らず転職を成功させる方法5選

ここでは転職を成功させるための具体的な方法を5つご紹介します。

転職の準備を事前にしておけば、理想とするキャリアに一歩近づけます。順番に一つずつ見ていきましょう。

1.キャリアを逆算して実績を積む

転職を成功させるためには、目指すキャリアに必要なスキルを逆算し、仕事の経験を積むことが重要です。

たとえば、「営業職からWebマーケターに転職したい」と考えている場合、以下のような経験をしておくと転職活動でアピールできます。

この例の場合であれば、「マーケティングの視点を持って業務に取り組んできた」という実績をアピールできます。

キャリアの逆算は、どの職種でも有効です。計画的にスキルを身につけ、転職の成功率を上げましょう。

2.転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用すると、転職活動を効率的に進められます。キャリアアドバイザーが経歴や希望をヒアリングし、最適な求人を提案してくれます。

学歴に自信がない人でも、エージェントが学歴不問の求人を紹介してくれるため、効率的に転職活動を進められるでしょう。

転職活動を一人で進めると、客観的な視点を持ちにくく、思うようにいかないことがあります。転職のプロであるキャリアアドバイザーのサポートを受けながら、より良い条件で転職できるように準備しましょう。

3.学歴の条件を満たしてなくても応募する

求人に「大卒以上」と記載があるからといって、応募を諦めるのはもったいないです。 実務経験やスキルが豊富であれば、学歴が条件を満たしていなくても採用される可能性はあります。

学歴が条件に合っていない場合は、職務経歴書でスキルや実績を強調し、書類選考の通過を目指しましょう。企業は即戦力を求めているため、面接でスキルや実績を直接アピールできれば、採用のチャンスは十分にあります。

4.人脈を広げて転職のチャンスを増やす

中途採用では、知人の紹介を通じて採用されるケースが増えています。 特に、学歴に関係なく実力を評価する企業ではリファラル採用が活発です。

リファラル採用とは、自社の社員が友人や知人を会社に紹介し、採用に繋げる手法

知人から職場を紹介してもらうためには、以下のような取り組みが重要です。

人脈を活用した転職では、スキルや人柄を評価された上で採用が決まるため、学歴関係なくチャンスをつかみやすくなります。また、ミスマッチを防げるメリットもあるでしょう。

5.社会人インターンシップに参加する

「転職の成功＝自分に合ったキャリアの実現」だとすれば、社会人インターンシップへの参加はオススメです。

社会人インターンシップとは、社会人が現在の仕事を続けながら他の企業で就業体験を行うプログラム

未経験の仕事も体験できるため、転職前に興味のある仕事と自分の適性を見極められます。

たとえ参加した企業に転職にできなかったとしても、得られるものは大きいです。

社会人インターンシップに参加した経験は、志望職種への熱意の裏付けや行動力の証明になり、転職活動でのアピール材料になります。

少し遠回りに感じるかもしれませんが、長い目でみれば自分のキャリアに影響を与えるイベントになるはずです。

学歴がなくても転職は可能！行動することが大事

転職活動では学歴よりも実務経験やスキルが重視されます。

「何ができるか」が評価の基準になるため、今の仕事で実績を積むことが大切です。必要なスキルを身につければ、学歴に関係なく希望する企業へ転職できる可能性があります。

もし、現在の仕事と関係ない未経験職種に挑戦する場合、以下のことを意識すると転職の成功に近づけます。

未経験から希望の仕事に就くためには、上記のような具体的な行動が重要です。

学歴に自信がなくても、行動次第で転職の可能性は大きく広がります。転職の成功に向けて、できることから一つずつ準備していきましょう。